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「読売新聞」

針のおかげ 生かせる体力
高校時代まで柔道で鍛え、筋力を使う仕事もしてきたのですが、30歳になったころから度々腰の痛みに襲われました。まさに「魔女の一撃」。這うことも、体の向きを変えることもできないんですよ。少しでも動かすと全身にピッピッと電流を流された感じ。気力で立ち向かうなんてまったく考えられない。
病名は「第5腰椎(ようつい)分離症」。コルセットやけん引、腹筋を鍛えるとか様々な整体とかを試みましたが、なかなかよくならない。10年前にようやく鍼灸師の方と出会ってすっきりするようになりました。針は、体中の血の滞りをほぐしてくれるような感じ。その後のマッサージは眠くかったるいのですが、一晩寝るとグンと調子がよくなっているんですよ。
今では月2回のペースで針を打ってもらってます。海外に行って疲れた時などは、酒に深酔いする。ああ内蔵も疲れているんだなって分かるんですよ。帰国して針をすると、治るので、きっと内蔵にも効くんですよ。
本が売れなくなったらおしまいの商売ですが、気ままな生活なので、ストレスはたまらない。締め切りは、それがあるから書けるんであって、ストレスにはなっていない。
学生時代、肺結核で入院し、「死の文学」を志したんですよ。信じられます?若くして死ぬはずだったのが、今でも1日で50枚の原稿を書くこともある体力をありがたく思ってます。

北方謙三さん(作家)
1947年唐津市生まれ。中央大学法学部卒。81年「弔鐘はるかなり」でデビュー。83年「眠りなき夜」で吉川英治文学新人賞を、85年「渇きの街」で日本推理作家協会賞を、91年「破軍の星」で柴田錬三郎賞を、2004年「楊家将」で吉川英治文学賞を、06年「水滸伝」全19巻で司馬遼太郎賞を受賞。

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